ルドルフ・ヘス副総統の墓が撤去
「ネオナチの聖地」、ヒトラー側近の墓を撤去 ドイツ
2011年07月23日 16:11 発信地:ブンジーデル/ドイツ
【7月23日 AFP】ナチスの総統、アドルフ・ヒトラーの側近として知られたルドルフ・ヘス(Rudolf Hess)副総統(1894~1987) の墓が撤去された。この墓は「ネオナチの聖地」となり、問題になっていた。
ヘスの墓があったドイツ・バイエルン(Bayern)州ブンジーデル(Wunsiedel)のローランド・ショフェル(Roland Schoeffel)副町長はAFPの取材に対し、20日の朝に遺骨と墓碑を撤去したと答えた。撤去作業は非公開で行われた。遺骨は新しい棺に入れてすぐに火葬された。遺灰は海にまかれるという。遺骨と共に取り除かれた墓碑は破壊されることになっている。
ヘスは93歳だった1987年に、ベルリン西部のシュパンダウ刑務所(Spandau Prison)で獄中自殺し、本人の遺言に従ってブンジーデルにあるルター派教会の墓地に埋葬された。しかし、この墓がドイツ最大のネオナチの聖地となり、へスの命日である8月17日には毎年、人口約1万人の町に大勢のスキンヘッドたちが押しかけてデモ行進していた。
教会の評議員によると、2005年に命日のデモが禁止された後も、ドイツ国内外から訪れるナチズムの信奉者は後を絶たず、しかも命日ばかりか1年を通じて花とナチス式敬礼を捧げていた。今回、墓地のリース区画の更新時期が来たのを機に、教会側がヘスの遺族に墓を撤去したい旨を伝えた。20年の契約更新を望んでいたヘスの遺族は当初は難色を示したが、ヘスの墓がネオナチの聖地になってしまっていることを説明する手紙が送られ、最終的にはヘスの孫娘がブンジーデルを訪れ、教会の評議会と協議した末、墓の撤去に同意した。(c)AFP/Ralf Isermann