中ノ河王子

中ノ河王子(なかのかわおうじ)は、継桜王子のある野中集落を出て、高尾隧道口を過ぎてまもなく、国道の側方の山中にある。旧址には、紀州藩の緑泥片岩碑があるばかりである。『中右記』10月24日条には「仲野川仮屋」の名で既に登場しており、『愚記』10月14日条に「中の河」なる王子の名が挙げられている[18]

『王子記』には「中河」、『続風土記』には「中川王子碑」とあり、近世には「中川」「中河」と表記された[18]。近世には、『道中記』に社がないと述べられ、『続風土記』にも同様の記述がある[19]。享保8年(1723年)には紀州藩が緑泥片岩の碑を建てたが、碑だけしかないことから、1909年(明治42年)に金毘羅神社(近野神社)に合祀された[19]

  • 所在地 田辺市中辺路町野中字高尾2177