Marlboro

伯父がモータースポーツ・フォトグラファーだった事もありMarlboroというブランドは身近にあるブランドだった。
1924年にフィリップ・モリス社は「Mild as May」(5月のようにまろやか)のキャッチフレーズにマールボロを「女性向けたばこ」として売り出した。
名の由来は街の名前だとか将軍の名前だと諸説あるが、Marlboroの日本語公式サイトではに最初に工場があった町モールブラ(en:Marlborough:イングランド南部ウィルトシャー)が由来とされている。フィリップ・モリス社の他のブランドがケンブリジ、ダービーなど「地名」であることを思うとやはり妥当な気がする。商品のネーミングとしては余りにもマイナーな町の名前を採用したことによって、もうひとつのストーリーがうまれた。
『Man Always Remember Love Because Of Romance Over(男はロマンスを失ったために愛を思い出す)』の頭文字から来ているというのである。
このセンテンスは、ジャック・ヒギンズの世界に憧れていた僕に強烈過ぎるイメージを植え付け、イメージカラーの赤・白・黑は常に意識するとものとなった。当時のF1はいまほどメジャーなものでは無かった。カーグラフィックス誌で結果発表が白黒4ページと言うのが普通だった。ニキ・ラウダ、マリオ・アンドレッティ、ジェームス・ハントなど僕のヒーロー達がこの名前を背にしてサーキットを走って行く写真。その写真は僕の中で赤・白・黑に塗られていた。

 

ある日、伯父がフィリップ・モリス社のエンブレムの事を教えてくれた。パッケージだけ見ていても良く見えないのだが、左に王冠といただいた馬、右の叫ぶと獅子(2頭の馬に見えるのはLOGOの簡易化の為)とフィリップ・モリスのイニシャル【PM】が中央の楕円に書かれ、【veni,vidi,vici】と書かれている。紀元前47年の【ゼラの戦い】に勝利したガイウス・ユリウス・カエサルが、自軍の勝利をローマにいるガイウス・マティウスに伝える手紙に書かれていたのが『veni,vidi,vici』、「来た、見た、勝った」だ。現在のLOGOはリボンには【PHILIP MORRIS(INTERNATIONAL)】と描かれている。
風をひこうが、心臓の手術をしようが『Man Always Remember Love Because Of Romance Over』、『veni,vidi,vici』この2つの言葉に飾られたMarlboroを止められる訳が無い。もちろんタバコを飲みだしてからMarlboroから一度もブランドを変えたことはない。生活スタイルに欠かせない一部だ。

パッケージの基本デザインは今現在も変更されていない。リーダーズ・ダイジェスト誌のおかげでパッケージがダラシがなくなったが、マールボロ・シェブロン(三角形の傘のデザイン)は健在だ。ボックス、ライト、ゴールド・オリジナルなど今では多くのヴァリエーションが有るがMarlboroはひとつだ。コンビニエンス・ストアーでMarlboroと言っているのに、「ボックスでよろしいですか?」と聞いてくる店員を何度、殴り倒そうかと思ったことか。臭いがやだからiQOSにした、タール、ニコチンが多いいから軽いタバコした、こんな人達はなんでタバコを吸っているんだろう。
物が溢れ、選択肢が多くなった。その分、物を持つ意思がなくなった。

飲めればいい酒、吸えればいいタバコ、走ればいい車。それには追加される言葉が【安全・安心】。つまらない時代になってきた。

 

日本では2004年にライセンス契約を終了している為、現在では輸入販売となり、日本で販売してしている物は韓国製になっている。